先輩スタッフに「仕事が遅い」って怒られた・・・
仕方ないよ、飲食店のスピード感て普通の生活ではあり得ない速さだから
例えるなら家にお客さん10人招いてその一人一人に違う料理を10分以内に作って出さなきゃいけないとか、そんなようなもんだからね
とんでもない業界に来てしまった・・・
自分には向いてないもう辞めよう
待って!大丈夫、「仕事が遅い」は改善出来るよ!
なんて言ったってれおまめも仕事は早くないけど「遅い」からは脱出できたから!
あ、早くはないんだ・・・
はい。
れおまめも決して手が早いタイプではありません。
というか仕事の速さにはぶっちゃけ「慣れ」というのもあります。
でも慣れるまでにはそれなりに時間が掛かるし、それまで毎日「仕事が遅い」と周りから注意され続けるのも辛いと思いますし、そこで「自分には向いていない」と諦めてしまうのも勿体ないかなと思います。
10年近く飲食店で働く中で色々な店を経験してきましたが、どの店で働くにも仕事が遅くならない為の「共通の考え方」というものがあることに気づき、それが分かるようになってからは様々な作業も大体そのパターンに当てはめて考えることで仕事がやりやすくなりました。
あくまでれおまめの経験の範囲内のことではありますが、「上手くいかない原因」と「対策」を紹介していきます!
【原因①】手順をイメージ出来ていない
仕事中は「作業」の連続です。
洗い物一つとってもお皿を洗浄機に入れる→洗い終わったものを洗浄機から出す→お皿を所定の場所にしまうという作業の連続が仕事になっています。
その作業をどういう順番で進めるかが「手順」です。
「仕事が遅い」と言われる人の多くはこの「手順」がイメージ出来ていない場合が多いです。
例えばこんな作業があったとします。
鍋にオレンジジュースと砂糖を入れて温め→そこにゼラチンを入れて溶かし→器に流して冷やし固める
簡単なオレンジゼリーの作り方です。
「仕事が遅い」と言われる人がこれを作ろうとした場合、
・鍋にオレンジジュースと砂糖を入れて、ゼラチンを入れるタイミングでゼラチンを水で戻していないことに気付いたり
・器に流すタイミングで流す器の準備をしたり(そんな時に限って器の数が足りなかったりします)
というようなことが起こりがちです。
この場合、鍋を火にかける前にゼラチンを戻しておけば流れがスムーズだし、鍋でオレンジジュースと砂糖を温めている間に流し込む器の準備をしておけば温めている間の手が空いている時間を有効に使えますよね。
スタートからゴールまでの手順をイメージ出来ていないが故に、一つの作業をしてから次の作業でやることを考えている状態です。
【原因②】関係ないところでこだわっている
仕事を丁寧にやることはとても大切なことです。
でも悲しいかな、飲食店では10分以内に100%のものを1個作れる人よりも80%のものを5個作れる人の方が重宝されてしまうのです。(業態にもよりますが)
仮にお客様に出せる仕上がりが70%で合格ラインだとしたら100%にこだわって1個のものに10分かけている人に対しては周りも「そんなの良いからもっと早くやってくれないかな・・・」という気持ちになってしまうのです。
この場合100%のものを5個作れるのが最強だけどこのブログは初心者さんを対象にしているのでそこは一旦置いときます
安定して合格ライン以上のものを時間内に仕上げていける人は、作業のポイントを的確に捉えてこだわるところ・こだわらなくて良いところを区別しているのです。
【原因③】作業の優先順位がつけられない
「仕事が遅い」と言われるシチュエーションにはどういったものがあるでしょうか。
例えばホールスタッフだったらドリンクのオーダーがたまり過ぎてお客様を待たせてしまっている時やバッシングにやたら時間が掛かっている時だったり、キッチンでもオーダーがたまり過ぎていたり頼まれた仕事に必要以上に時間がかかってしまっている時だったりすると思います。
これはサッカーに似ているなと常日頃思うのですが(サッカー経験者ではありませんが)今ボールがどこにあるか追えていない状態に近いのではと思うのです。
「ボール」というのはその時一番優先順位の高い作業のことです。
オーダーがたまり過ぎている場合はとにかく一番古いオーダーから一つずつ確実に終わらせていけば大きな事故にはなりません。
全体の状況を考えて「一番待っている人に料理やドリンクを届ける」ことがその時の「ボール」だとすると、その「ボール」の存在が見えていないという状況です。
ボールが見えていないと、焦りからつい作りやすいものから手をつけてしまって「とりあえず先にこれを出そう」と作ったもののそれが一番後から入ったオーダーでお客様もまだそんなに待っていない、という状況だったりします。
イメージですが、サッカーで言えば「ボールがどこにあるか分からないけどとりあえず走ってみた」とい状況なんじゃないかと思います。(なんだそれは)
ゴールに結びつく行動なら良いのですが、大前提としてボールの所在を把握していなければそうはなりません。
これは原因①の「手順がイメージできていない」こととも似ていますが「ゴールは何か」をしっかり捉え、そこから作業を逆算して考えていくという考え方が優先順位をつける上でも重要になります。
それではこれらの理由から見えてくる改善方法を紹介していきます。
【対策①】動きの「速さ」ではなく動きの「回数」を減らすことを意識する!
仕事が早い=動きが速いとは限らない!
「仕事が遅い」と言われると、ついただ単純に動作だけを速くするという方法をとりがちですが慣れてない人間がそれをやってしまうとかえって危険です。
無理矢理速く動くことで物を壊してしまったり、食材をひっくり返してしまったりという二次災害を引き起こすことが多いからです。
急かされるとどうしても焦っちゃうんだよ〜(泣)
それに対して、とあるお店のキッチンで働いている時に当時の上司から言われた言葉があります。
「速く動いたら仕事が早くなるなら、この業界は運動神経良い奴がモノを言うのか?違うだろ!」
この言葉は超説得力がありました。
なぜならその上司はめちゃくちゃ仕事が早かったのに動きは決して速くなかったからです。
どういうことかと言うと、オーダーも仕込みも動作の速度は速くなく、比較的ゆったり動いているのにも関わらず、こっちが気付いた時にはもう終わっているのです。
不思議ですよね。
どういうことだろうと思い、それから私はその上司の動きを観察しました。
そこで気付いたのは、全ての作業を最少の手数で決めているということでした。
手数を減らすためには
「仕事が遅い」と言われる人にありがちなのは、例えば料理の盛り付けの時も「このくらい」と思って盛ったものを「あ、ちょっと少なかったかな」と少し足して調整(または多くてちょっと減らす)したり、「あ、もうちょっと右だったな」など位置も一発で決めきれず盛ってからちょんちょんと動かしてみたりととにかく手数が多いのです。
私が観察する限りその上司は盛り付けの量や位置などを全て一回の動作で終わらせていました。
これはどんなに速く動くよりも圧倒的に早く、かつ運動神経も関係ありません。
それから私はなるべく少ない手数で一つ一つの作業を終わらせる為にはどうしたら良いかを常に意識するようになりました。
以下にポイントをまとめます。
◆盛り付けなどで量が決まっている場合は毎回同じスプーンを使ったり、「このスプーンでこのくらい」と決めるなど自分だけの物差しを作る!
※サラダなどで「手でひとつかみ」の場合もちょうど良い量を手の感触などで覚えておく
◆無駄に何回も料理を触らない!大抵の場合、お皿に料理を置いた後に「ちょんちょん」と触ることにさして意味はない!
◆計量の時もなるべく自分で検討をつけて計る!(バターはこの幅で切ったら大体10gになる、とか砂糖は3秒くらい出したら大体100gになる、とか)→検討がついてないと調整する回数が増えて時間が掛かる
【対策②】作業はまとめてやる!
作業にリズムを作ることでテンポが上がる!
作業はまとめてやることでリズムが生まれます。
例えば玉ねぎのみじん切りを10個分行うとなった時に、1個ずつ「皮をむいて」→「みじん切りにする」を10回繰り返すよりも、10個分まとめて「皮をむいて」→「みじん切りにする」方がリズムが生まれテンポ良く進みます。
なぜかと言うと、作業と作業の間にある「体勢を変えたり」「包丁を持ち替えたり」という動作も作業の一つだからです。
作業の数が少ない方が所要時間は少なく済みます。
また、経験則ですが単純な作業は繰り返すことで徐々に慣れてテンポが上がります。
これは単純作業の繰り返しになるな、と感じた時は、同じ体勢・同じ道具で出来る作業ごとに作業をまとめるということを意識してみましょう!
【対策③】作業に適切なスペースを確保する!
作業がやりにくいのは周りが片付いていないから
キッチンで働いていると、「仕込み終わって冷やしているもの」「この後使うからとりあえず出している食材や道具」等、「一旦置いてある」ものが結構あったりします。
作業に追われているとついその作業を進めることにばかり意識が向いてしまい、「一旦置いてある」ものを仕舞うというところが疎かになってしまいます。
これを続けると、キッチンが「一旦置いてある」ものだらけになり必要な作業スペースが確保できず、狭いスペースで無理矢理作業をすることになります。
その結果いつもより時間が掛かったり変なところに手が当たって物を壊したりせっかく仕込んだものをひっくり返してしまったり・・・という悪循環が生まれてしまうのです。
これも先に紹介した「まず片付ける」という「優先順位がつけられていない」、「作業に必要なスペースが見えていない」という「手順がイメージできていない」等の状況に当てはまると思います。
「やりにくいな」という気持ちに敏感になる
作業スペースは余裕がある方が確実に良いです。
でも必要な作業スペースの考え方は人によって多少違います。
経験にもよりますが、自分が「やりにくいな」と思ったらまずその作業スペースの周りを見渡してみることをお勧めします。
特に初心者のうちは応用も利かないので、この気持ちを無視してしまうと作業は遅くなりがちです。
ここにこれがあったら腕が当たりそうだな、とかこれじゃあこの後ここに鍋が置けないな、とか思うのであればまずはそれを解決してから作業を始めましょう。
その方が結果的にミスも少なく、適切な時間内で作業を終えることが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
何度も言いますがれおまめも決して仕事が早い人間ではありません!
それでもこの記事でまとめたようなことを意識することで徐々に「仕事が遅い!」と言われることはなくなりました。
もちろんこれが全てではなく、何か考え方のきっかけとして参考にして頂けたら嬉しいです!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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